道路特定財源の見直し協議再開。

 5月21日 道路特定財源の見直しに関する与野党協議を再開することで合意された。そもそも道路特定財源を巡る議論とは何だったのか。衆院山口 2区の補欠選挙でも大きな争点の一つとなった。
 一般財源化と暫定税率の議論とは何を目指すものだったのか。少なくともあれだけの議論を経ても現在は何もかわっていない。道路もそのまま整備し続け、税率も暫定を強引に復活させ課税されている。
 道路特定財源制度が出来てから54年、暫定税率が施行されズルズルと34年。
時代や社会が急激に変化し国民の意識も変わっているのに、変わらずに道路をつくり続けることが本当に国民生活のためになるのか。確かに当時は国民生活を便利に、産業活動を活発にするため道路を緊急に整備する必要があったのであろう。その道路を早急に整備する必要があり財源を確保するため暫定的に高い税率を導入した。
それは我々も理解できる。しかし今、その当時とは比較にならないほど道路事情はよくなった。では何故、高い税率だけが当時と変わらずいまだに続いているのか。
 しかも予算は余ってもよさそうな物だが、キレイに使い切ったうえで「まだ道路は遅れているという」まだ足りないはずの道路特定財源の使い道を調べてみると、天下り受け入れため「実態のない調査費用」や道路以外の駐車場や職員住宅、旅行費用やタクシー代、マッサージチェアーなど特別会計の闇を通じ次から次へと税金の無駄遣いが表面化。
 どう考えても、道路特定財源は余っているのだ。予算が余ってしまうと課税する根拠がなくなってしまう。だから財源を確保しておくため必要のない道路まで含んだ道路整備計画を策定する。また道路の必要性が無くなると役人がいらなくなり自分たちの存在理由に関わる問題になる。つまり官僚機構の繁栄と族議員の影響力を維持するための予算であり、そのための財源と計画になってしまっているのだ。
 族議員と官僚の本音が透けて見えるため、福田首相が一般財源化をどのよう主張しても掛け声だけに聞こえてくる。
 閣議決定された「道路特定財源に関する基本方針」は、
   @支出の無駄を徹底的に是正。公益法人の集中点検を 6月までに実施。
   A道路特定財源制度を今年度で廃止。 21年度から一般財源化。
 地方財政に影響を及ぼさないよう措置。
 必要と判断される道路は着実に整備。
 道路整備中期計画を5年で策定。

 閣議決定の項目にある支出の無駄を6月までに徹底的に点検、是正というがそんな短期間で本当に官僚機構の壁を突き破れるのか。福田内閣の姿勢を見る限り官僚の代弁をしているとしか感じられない。
来年度から、一般財源化するといいながら地方財政に影響なく措置し必要な道路は着実に整備するという。つまり道路財源から一般財源というお金の色だけを変え今まで通り国と地方で道路整備を続けようとしているのだ。

 それでは何も変わらないではないか。今年は勿論だが来年からも何も変わらないではないか。
一般財源化とは、財源が不足して将来不安となっている年金や医療・介護、地球温暖化対策など環境、教育、地方の自主財源等に対する予算化ではないのだろうか。
まず道路整備計画を白紙に戻し根本的に見直さなければ始まらない。効果のない必要性の低い道路整備は止めなければ構造は変わらない。ましてや整備済み道路の維持管理費は恒久的に掛かっていくのだ。安全性の観点からも最低限の維持管理予算は削るわけにはいかないではないか.与野党協議の場は道路特定財源の見直しだが、政府・与党はどれだけ道路整備計画を縮小し予算を削ることが出来るか示さなければならない。
 そして新たに捻出された予算を道路以外にどのように使うのか国民が決めるべきだ。
国民の選択、民主主義の原則だ。政治を変えることで、税制も予算配分も我々の国民生活も変わることをもう国民はわかっている。

                                      5月22日 
                                            黒 田 ゆ う
草 根  国民の生活が第一